屋根裏の結露
人には「癌」という病気があり、この癌によって多くの方が短命に終わっています。建物にも「癌」というべき憂いごとがあります。それは「結露」です。生物の命に欠かすことのできない水が、建物を腐敗せしめて建物の寿命を短くしています。
結露の中で最も建物に害を与えるのは、夏型結露です。
現行の建築工学では屋根裏の結露について十分に研究がされているとは言えません。結露は一定の空間において、。その空間に現存する空気の温度と湿度により、露点が決まります。その露点より低温の所があるとそこに結露します。したがって結露が付着しないようにするためには、その空間の温度を露点より高くすれば良いのです。
高気密・高断熱住宅の、2階の部屋が使用されていない状態で、2階の屋根裏の温度を、2年間測定(札幌近郊)した結果、大寒時の最低は4度、最高は19度でした。
冬季の湿度は30%以下ですが、仮に40%とした場合、気温4度の露点は-7.5度です。気温20度の場合は5度です、したがって冬季の屋根裏結露を防止するには、露点以下にならなければ結露しない。結露を避けるためにはこの状況に合致しないように対策をすれば良いのです。湿度が40%でも、屋根裏が5度以上あれば、結露しないのです。
従来の屋根裏通気法では、20度を超える生活温度を保つ空気が、天井から屋根裏に出ていく、そのような環境の所に、氷点下の空気を招き入れるのであるから、結露も結氷も起こるのです。
屋根裏は屋根裏壁の断熱を強化し、屋根上の積雪を断熱材として利用するように施工すると、冬型の結露は発生しないのです。
結露については、まだ確実な指標となるものは出来ていない。やがて、空気の温度、その空気に含まれる湿度、温度低下の度合い、低下する時間的な速度、この4つを的確にとらえて、「結露指数」的なものが、制定されるものと思う。そして各自治体に結露指数測定機を備え、結露する指数になると、その装置が衛星に信号を発し、衛星はその地域全体の住宅に設置された、湿度除去装置をコントロールして、家という国民の財産を湿度の害から守る、そういう時代が近いものと推定する。
屋根裏の夏型結露(メルトルーフの場合)
春・秋の高温多湿な時期に、外気温度が急激に降下する時。暖かい空気に含まれていた湿度が、冷えて飽和状態となり結露する。これが夏型の屋根裏結露です。これを防止するには、屋根裏空間が冷えだす前に屋根裏の湿度を取り去ればよい。
メルトルーフでは、外気が冷えると屋根上の熱伝導板がいち早く冷える、熱伝導板の屋根裏部分迄冷やされるので、この熱伝導板に結露が付着する。断熱材などで囲まれている屋根裏部材などが冷えだす頃は,
屋根裏部の湿度が下げられているので、屋根材には結露がつかない。
メルトルーフは、結露を発生させる温度の低下という自然の力を利用して、屋根裏木部に結露付着を防止するすばらしいシステムです。毒をもって毒を制する、と言う言葉のように、結露をもたらす外気の低温への変化をセンサーとして、結露付着時にベストタイミングで屋根裏の結露を除去する、これがメルトルーフの類を見ない長所であります。結露側から見ると、結露しようと思ったとたんに、カウンターパンチで沈められたようなものです。
試験屋根では、結露水が落ちてくると、結露溜めの瓶に結露水が溜まり視認で確認できるように作ってある。20㎡の屋根で、冷たい雨が降りだして止むまでに、その雨の期間中に1.5リットルほどの結露を確認している。もし100㎡の屋根なら7.5リットルほどが屋根材に結露として付着していることになる。この結露が建材を腐敗せしめているのです。これは恐ろしい事です。
